日本ワナゲ協会の沿革と公式ワナゲの概要
日本ワナゲ協会の沿革について
ワナゲは縁日でのお遊び程度であったものを戦後まもなく青木泰三氏(大阪府立大
学教授、初代日本ワナゲ協会会長)の指導により、ワナゲをスポーツとして再生す
るため、独自のルールや用具が整備いたしました。
当初の輪はロープを使用していましたが、均質性やゲーム性を考慮した現在のゴ
ム製のものが開発され、目標となる台の形状は正方形になりました。そして、台上
の数字が縦、横、斜のいずれの和(+)も15となる配列を施しました。
これを15(いちご)すなわち「一期の原則」と呼び、「輪で 話と 和 を」の
精神とともに本会の指針となっており、この心を私たちは大切にしています。
1967年4月、簡易スポーツ研究会の基礎メンバーを中心に日本ワナゲ協会が発足
しました。
1967年、1977年、1994年のルール改定を経て2001年10月の理事会で「一期の
原則」の全面採用が決定し、本書を統一公式ルールとして、2002年(平成14年)
4月から実施しました。 その理由としては、「昨今は地域内にとどまらず、地域
間の交流が盛んとなり、愛好者から統一の要望が多く聞かれたこと」「生涯スポー
ツへの進化と本来のより楽しい対話型ゲームへ推進することが、長寿社会の今日に
こそ必要との声が一層強くなったこと」があげられます。
公式ワナゲの精神をご理解のうえ、いろいろな場面でご活用いただきますようお
願申しあげます。
日本ワナゲ協会 会長 川島正英
公式ワナゲの概要
1.ゲーム方式について
単独投輪方式と交互投輪方式の2通りがあります。ルール原則として『負け後攻の
原則』,『一期の原則』,『和の原則』,『投輪ルール1、2、3 』を設けています。
場所は、屋内外を問わず6畳程度の広さで楽しめます。投輪距離は、2mです。
用具は、木製の60cm角台と9本の棒、ゴム製の輪9本(赤色4本、黄色4本、青色1
本)です。
●単独投輪方式
この方式は1人で行います。1人 が9本の輪持ち、投輪ラインを踏まずに全部投げ
きり、棒に入った点数の合計が総得点になります。縦、横、斜いずれか一列に入っ
た場合、通常は15点ですが、『一期の原則』により2倍の得点、30点になります。
最高点は、8列で9本すべての棒に輪が1本ずつ入った状態で、得点は計算上240点
(8列×15点×2倍)になりますが、これを「上がり」(パーフェクト)と呼び特典
として点数は300点になります。ぜひ、挑戦してみてください。
●交互投輪方式
1対1の2人で行います。ジャンケンで勝てば先攻で 赤色の輪を4本持ち、負けれ
ば後攻で黄色の輪を4本持ちます。第2セット以降は前セットに負けた方が後攻にな
ります。これを『負け後攻の原則』と呼びます。
2mのラインから交互(赤色の次は黄色)に各4本すべて投げます。
互いに4本投輪した時点で得点の低い方が、最後に青色の輪(アンカーリングと呼
ぶ)を投げることができます。
最後にこの青色の輪が入った点数も加点し、得点の多い方が第1セットの勝者になり
ます。得点の数え方は単独投輪方式と同じように『一期の原則』を適用します。
もし、4本ずつ投げた時点で同点、青色のアンカーリングを投げて同点になった場合
は引き分けになり、これを『和の原則』と呼びます。
同点の場合は次セットのセットは先のセットで先攻の者が先に投げます。
通常は上記を1セットとし、3回(セット)して1試合(ゲーム)とします。
1試合終了後同点の場合は「和の原則」により引き分けとなります。
なお、大会運営上、勝負が必要な場合は「一投勝ち」(両者が輪を1本投げて点
数の高い方が勝ち)で決めるます。
2.「2通りの投輪方式の組み合わせについて」
例えば親睦会などで多くの参加者がいる場合、予選では短時間に多数の人が競技で
きる単独投輪方式を採用し、次に得点の高い人達の決勝では交互投輪を採用するこ
で選手も応援者も十分に試合を楽しむことができます。
子ども達との交流会、自治会のスポーツ大会、老人クラブとの交流会などいろんな
場面でお楽しみいただけます。
公式ワナゲの精神である『輪で 話と 和を』 を基本にプレーをお楽しみください。
3.運動効果
133g(±3g)の輪を2m離れた位置からワナゲ台に投げる事により、次の機能が要求
されます。
◆平衡力/身体の均衡を保つバランス感覚。
◆調整力/足の屈伸や腕の振りを調整する力。
◆筋 力/輪の重さを生かした腕の力。
◆頭の柔軟性/単に「投げる」から「考えて投げる」ゲームであり、頭脳の柔軟な
働きが得られます。